中国酢都

中国鎮江酢文化博物館

中国鎮江酢文化博物館は酢をテーマした中国初の博物館であり、鎮江市最初の、文化遺産保護、科学教育の普及、産業観光を統合したテーマパビリオンでもある。博物館はさまざまな会場に分かれており、音、光、電気などの現代的な表現を駆使し、酢の文化をさまざまな面から展示、解説している。

酢の歴史会場では、酢の起源と歴史的発展を伝え、各王朝での酢の作り方と鎮江の民俗習慣を紹介する。また、訪問者はインタラクティブエリアでのゲームを通じて様々な養生酢を味わい、文化の廊下で鎮江の人文風土について学ぶことができる。

老工房の伝統的な木製構造、酢瓶、酢ポット、酢タンクは百年前にお酢を作った人々の風景を再現したもので、訪問者はお酢の製作を身近に味わい、本格的な古酢を味わえる。

展示ホールでは、世界各地の酢や各種の酢製品を収集しており、目にも艶やかである。そのコレクションのひとつである1980年代に作られた恒順香酢は、未だによい香りを漂い、「香酢は時間を経っても変質しない」ことを証明している。

最後の体験会場において、訪問者はお酢の使え方について学べるだけでなく、手つくりで唯一無二のお酢を作ることすらできる。

【観光スポットの紹介】

九龍壇

九龍壇は高さ4.8m、直径2.4mに達する、国内で最も大きな陶器製の酢瓶であり、ギネス世界記録にも登録されている。瓶に彫られている9匹の龍は脈々と続く華夏文明と、民族工業の繁栄の象徴である。

酢史館

ここでは、鎮江酢、中国酢、そして世界の酢の歴史、起源、発展の過程を詳しく見ることができる。北魏の時代(386年~534年)の著名な農学者である賈思勰が『斎民要術』のなかで詳細に記載している酢の24種の造る方法は、酢を造る技術について全面的に記載した中国で初の古典文献であり、中国酢の変遷や歴史に関する研究にとって重要な参考価値を有している。

文化長廊

鎮江の風土人情と恒順香酢は根源的に切っても切れない繋がりがある。金山、焦山、北固山と、千年の漕運(食料を運河で北方へ運送すること)・商埠(貿易都市)を見届けてきた西津渡遺跡、そしてその香りで千年にも渡って街を包んできた鎮江香酢が一体となって、「三山一酢一渡」の美食美景を形成し、この土地の特徴になっている。「金山」「北固山」は恒順が登録している二大ブランドである。焦山の山門に刻まれている「恒順衆生」という文字は、恒順の屋号とぴったり合っている。清朝の時代、恒順の生産品は西津渡埠頭を通って各地に向かい、売られ、恒順香酢の知名度を高めた。

老作坊

ここは「国家級非物質文化遺産」である伝統制酢工芸の生産過程を再現している。ここも中央電視台の有名なドキュメント『舌尖上的中国』第一部「『五味』の中の『酸』」の中で、酢の造る工芸の撮影地としても登場している。

現代工芸館

現代工芸館では現代化された酢の造る技術を見ることができるだけではなく、「健康恒順、科技恒順、生機恒順」の三大テーマから、生産原料の品質検査、科学技術に則った管理、未来構想などについて理解でき、百年企業から湧きあがる生気と活力を感じることができる。通路両側のガラスを通して、機械化された酢造りにおける中核的場面である糀造りを見学することができる。ここの発酵槽は総延長16kmほどもあり、これは中国最大にして最長である。

陳列館

酢を醸造するためには、まず酒を醸造しなければならない。恒順が最初に醸造していたのも酢ではなく、百花酒という酒であった。鎮江香酢も百花酒の香りを継承し、末永く残している。陳列館には最初期の恒順が身代を築いた過程に関する紙媒体の歴史資料が保存してあり、これは全国百年の老舗である企業に関する極めて貴重な実物資料でもある。

体験館

酢は単なる一調味料ではない。より重要なのは、それが幾種もの薬用価値や食用価値を備えているということだ。ここの特別展示エリアでは、酢の多岐にわたる不思議な効用に関する知識が得られるだけではなく、博物館の背景を自分好みで選んで、個性的な商標酢として記念品を残すことができ、自ら積極的に楽しみを見出すこともできる場所である。

入場料:一人30元
開館時間:09:00—16:00(年中無休)
住所:江蘇省鎮江市丹徒新城恒順大道60号
联系电话:+86-511-85307790,+86-511-85307791