茅山は江蘇省の西南部に位置し、南から北まで延々と10キロ延び、美しい景色が見られる地だ。また、長い道教文化、栄光ある革命の歴史、きれいな自然環境がここに溢れており、「道教第一の福地」と評価されている。
茅山は道教の上清派の発祥地で、道家に「上清宗壇」と呼ばれている。「第一の福地、第八の洞天」と言われるほど、山には道観がたくさんあり、とくに九霄万福宮と元符万寧宮が最も有名である。青々と茂っている森、変わった形をしている石、険しい崖、清らかで静かな鍾乳洞によって、「峰が九つ、泉が十九、洞窟が二十六、池が二十八ある」という不思議な景観が生み出され、茅山の美しさや神秘さを際立たせている。
[九霄万福宫]
茅山の主峰大茅峰の頂上に位置するため、頂宮とも呼ばれる。三茅真君が道を究め仙境に達した後に建てられ、2100年以上の歴史がある。
[喜客泉]
大茅峰の西北に位置し、湧水が拍手の音に従って泡立つという独特な現象から、喜客泉と名付けられた。ここでは、古代の木、神泉、遺跡、あずまやと高殿などが一つに統合され、天然の山水画となり、道教の「天人合一」思想を体現している。
[華陽洞]
華陽洞はすなわち「第八の洞天」である。洞天とは道教における仙人が仙界と交信する場所で、洞内には泉水が流れ、さまざまな形の鍾乳石が連なり、洞の外には樹木が青々と生い茂り、空気は新鮮でマイナスイオンが豊富である。自然面からも健康面からも「天地の間の精気を集めている」場所と言える。
[元符万寧宮]
積金峰に位置し、茅山祭りのときには線香を上げにおとずれる善男善女達が、自分の香り袋または帯に「九老仙都君印」を押すよう、道教徒に頼む。息災延命、遭難救出を意味するため、ここも「印宮」と呼ばれている。
[仙人洞]
石灰岩鍾乳洞である。洞内の道は曲がりくねり、天然の景観をなしている。昔の人びとの修行した遺跡が残されている。伝説によると、ある人がこの洞で悟りを得て仙人となった。ゆえに「仙人洞」と呼ばれている。