赤山湖は六朝の古都南京の母なる河である秦淮河の源流の一つであり、金陵の東、江南の古代集落句容に位置する。南東には著名な道教の聖地茅山がある。その山峰は美しく、洞天はどれも類ない本質を備えている。北西には「律宗第一名山」である宝華山があり、その「麗しい林麓、美しい峰や尾根、深い洞窟、見ごたえのある霧霞」は世の人々を感嘆させてきた。また、茅山と宝華山の間を流れる水脈は、南西の片隅で合流し、秦淮河上流で最大の天然湖となる。これは同時に秦淮河の主要な源流でもあるため赤山湖は「秦淮第一湖」と褒めたたえられている。
美しい湖と山を抱えながら、秦淮文化の水脈は千年もの間脈々と続いてきた。赤山湖は中国国内外で著名な秦淮文化を潤すだけでなく、有史以前のきらびやかな湖熟文化を産み出した。湖に育てられ、湖に沿って広がった輝かしい湖熟文化は、赤山湖を源として南京にまで至り、秦淮両岸に深々と根付いている。1959年には史学界が正式に「湖熟文化」と命名し、「河姆渡文化」と並び、長江中下流地区5000年の輝かしい文明を代表する存在となった。
赤山湖国家湿地公園の総面積は13平方キロメートルで、湿地が89%占めている。湿地の種類も豊富で、河川、湖、沼地などがある。「広い湖を持ち、河川に囲まれ、干潟が交差し、島が点在する」という独特な地形に恵まれ、豊かな生物資源を育んでいる。公園は湿地保護区、生態回復区など五大エリアがあり、観光客は鳥類観察館や鳥類保護館、水利文化館で湿地に関する知識を学ぶのもいいし、蓮文化回廊や湖畔遊歩道、水文化石彫刻、キャンプ場、河湖長制テーマパークで自然の美景を思い存分に楽しむこともいい選択である。